京セラ株式会社と同志社大学、
音声をリアルタイムに表示するシステムの実証実験を実施
同志社大学では、2022年12月7日より、京セラ株式会社(以下、京セラ)が現在開発中である「わかりやすい字幕表示システム」の実証実験を実施いたします。
同システムは、本学の今出川(京都府京都市)および京田辺(京都府京田辺市)の両校地にある、スチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室(以下、SDA室)およびラーニング・コモンズに計4台を設置します。
同志社大学における「わかりやすい字幕表示システム」実証実験概略
設置場所 | 両校地SDA室、ラーニング・コモンズ |
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実証期間 | 2022年12月7日(水)~2023年3月31日(金) |
実施の背景と目的
本学は、2021年にダイバーシティ推進宣言を発表し、男女共同参画・ライフサポート、多文化共生・国際理解、障がい学生支援、SOGI理解・啓発、の4つを中心課題としたダイバーシティに関わる取組を推進しているところです。
中でも、障がい学生支援においては、障害者雇用促進法および障害者差別解消法に基づき、本学では、聴覚に障がいのある教職員や学生に対する合理的配慮として、手話通訳やPC通訳等を行っています。今後は、支援技術(Assistive Technology)機器による情報保障も含めた制度設計を視野に入れ、その有効性についての検証を行うべく試行調査を行います。
大学内では、新型コロナウイルス感染防止の手段として会話時のマスク着用やアクリル板を挟んでの会話を行っており、聴覚障がいのある教職員や学生だけではなく、健聴者であっても、職員の表情や発話内容が届きにくい状態が続いています。ついては、音声発話を視覚情報として可視化することは、障がい学生(障がいのある教職員)のみならず、広く多くの学生、教職員に対しても、「迅速かつ正確な情報の伝達」に寄与するものと考えます。
他方で、教育機関として、情報保障を必要とする方が世の中におられるという「アクセシビリティ」の問題に学生が触れる機会は大変重要です。多数の学生が集うラーニング・コモンズで、このような支援技術機器を目の当たりにすることにより、ダイバーシティに関わる理解を促進するとともに、知的好奇心を刺激し、新たな学びに誘うことも目指します。
わかりやすい字幕表示システムについて
京セラが開発する「わかりやすい字幕表示システム」は、話した内容がリアルタイムにスクリーンに文字として表示※1されるので、マスク着用時やアクリル板を通した会話であっても、文字や図解、動画という視覚情報で伝えることが可能なシステムです。
表示される言語は、日本語をはじめ、7か国語※2の翻訳表示にも対応しています。
本システムは、相手の表情を見ながら安心して会話することができ、また、対応者もスムーズに情報を伝えられるため、国内はもとより、海外からも多くの学生が集う同志社大学のSDA室およびラーニング・コモンズでの円滑なコミュニケーションに貢献します。
※1 利用者側のディスプレイ側だけに字幕が表示される一方向表示
※2 英語、中国語、韓国語、ベトナム語、タイ語、ヒンディー語、ウクライナ語に対応
「わかりやすい字幕表示システム」の詳細について
わかりやすい字幕表示システムをご覧ください。