学長メッセージ

1875年、創立者新島襄は「自から立ち、自から治むるの人民」の育成を目指して私学同志社英学校を京都に設立しました。創立以来、同志社教育の基本はキリスト教主義精神に基づく良心を手腕に運用する人物の育成です。宗教家として、そして教育者として新島は数多くの言葉を残していますが、本学に繋がる人々が強い思いで受け継いでいる言葉に、「人一人ハ大切ナリ」というものがあります。これは1885年に開催された同志社創立10周年記念演説の中で語られました。国際連合はSDGsの理念として「No one will beleft behind」を掲げていますが、本学はそれよりもずっと前から、新島のこの言葉を重要なよりどころとして大学運営を行ってきました。

大学は、個人個人の多様な考えを尊重できる環境でなければなりません。そして自身と異なる価値観や境遇を持つ他者を理解し、共生・共存する中で、その違いを新たな創造へ導く力を持つ人物を養成する必要があります。本学は、継続してダイバーシティ推進に取り組んできましたが、2020年度にはそれをより明確に社会に発信するために同志社大学ダイバーシティ推進宣言を制定して公表しました。今後も、さまざまな境遇・背景を持つ人たちが共存し、個がいっそう豊かに輝くダイバーシティ・キャンパスの実現を目指し、取組をさらに強化してまいります。

同志社大学 学長植木 朝子

文部科学省 令和3年度科学技術人材育成費補助事業 「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(調査分析)」に選定