Interview 02

周りの理解があったからこそ
人生で一度きりの瞬間に立ち会えた

職員Y・Nさん

工夫と周囲からの「助け」が
初めての育児休業への不安を乗り越える鍵に

Q1制度を知ってから実際に取得するまでの流れを教えてください。

最近はニュース等で紹介される機会も多くなっているので、出生時育児休業制度(通称:産後パパ育休)の存在は認知していました。そういった中で、学内の会議でもたびたび取り上げられ、同志社大学でも整備が進んでいることを知ったため、自分事として捉えるように。取得に向けた具体的な検討を始めたきっかけとなったのは、第2子の妊娠です。第1子が生まれた時には仕事状況が逼迫していたこともあり、取得の意向を言い出すことができませんでした。しかし、最近では学内でも、男性職員が育児休業を取得するのも珍しくないどころか、もはや当たり前という雰囲気になっています。そのため、家庭でも育児休業について話し合う際は「取るか取らないか」ではなく、「どれくらいの期間をどのタイミングで取るか」というところから話を始めました。その後、期間やタイミングを周囲へ相談したうえで、取得の意向を上司に報告。快くご承諾いただいたうえに、休業に入るまでの段取りも一緒に調整してくださり、とても心強かったです。

Q2制度を利用するにあたっての不安はありましたか。

もちろんありました。一番の不安は、やはり自分の業務についてです。私の所属している学事課は、課長、係長、そして私を含む課員の4名で、それぞれが異なる業務を担当しています。また、私以外の職員1名は当時配属されたばかりだったこともあり、「私が抜けてしまうと課に大きな負担がかかってしまうのではないか」という考えが常に頭にありました。更に、課全体で担当する大きな式典が、休業期間中に本番を迎えることも不安の種でした。

Q3その不安はどのように解消しましたか。

「休業期間を二分割して取得可能」という出生時育児休業制度システムを活用し、業務から離脱する期間を小分けにできることが大きく影響したと感じています。2週間休業した後に1週間復職。その後、再度2週間の休業期間をいただくという形で、1週間の復職中にリカバリーするという見通しを立てることができたのが、安心につながりました。しかし、実際には出産時期が早まったことなどが影響し、4週間続けての取得に。その中でも、業務の詳細なTODOリストの作成や、情報が揃っている案件は全て前倒にして終わらせるなど、引継ぎの面でカバーし課員の負担を減らすことができたので安心して休業に入りました。
また、周囲の理解にも大いに助けていただいたと感じています。例えば係長には私の担当業務の一部をご担当いただき、私の休業中も様々な情報から私の意図を汲み取りながら進めてくださいました。また、出産直前にはパートナーの体調に合わせて、少しずつお休みをいただくこともありましたが、皆さん快く承諾してくださり、「早く帰ってあげて」と背中を優しく押してもらったことがとても嬉しかったです。心配していた式典も無事に終わり、課の皆さんには本当に感謝してもしきれません。

制度理解が進んでいたから、家族と一緒の時間を
安心して過ごすことができた

Q4制度を利用してよかったと感じた点を教えてください。

子どもの日々の変化をすぐそばで感じられたのは、制度を利用したことの一番の恩恵でした。子育てをする上で、「一日はとても大きな意味を持ちます。子どもたちは、私たち大人の想像よりもはるかに早く成長するからです。日々成長していく様子をこの目で見ることができた経験は、何物にも代えがたいものです。一秒一秒が一度きりの大切な時間なのだと、心の底から感じました。また、長女が私たちの真似をして、ミルクを上げたり、抱っこしたがったり、お姉ちゃんとしての自覚をもって、弟に接する場面を目にすることができたのも強く印象に残っています。誰に教えられたわけでもなく、赤ちゃんに優しく対応するその行動に成長を感じ、嬉しく思いました。長女にも手伝ってもらいながら、家族全員で子育てをしているという一体感を感じることができたのは、育児休業制度を活用したからこそです。

Q5産後パパ育休制度を利用したことに対する、職場全体での反応を教えてください。

制度を利用することに対して、ネガティブなイメージを持つ人はほぼいないと思います。また、年代を問わず、「育休を取れる人は取ることが当たり前だ」という話もよく聞くようになりました。男性職員が育児休業を取得することへの理解は、大学全体に浸透していると言えるのではないでしょうか。実際、私が育児休業を課長に相談した際も、「家族のことは大事にした方がいい」と快く受け入れてくださったので、安心して申請することができました。

Q6最後に、制度活用に悩んでいる方に向けて一言!

私にとって、生後間もない第2子の成長を間近で見ることができた日々は、この上なく貴重な時間でした。これも職場の皆さんのご協力があったからこそ得られた経験です。育児休業は、「子どもの誕生」というライフイベントに伴って使用する制度です。そのため、明確な取得時期は決まっておらず、パートナーが妊娠したタイミングでの様々な条件を加味したうえで制度利用の決断をする必要があります。業務量や職場環境、家庭環境など、いくつもの要素が複雑に絡み合っているので、ハードルの高さを感じるかもしれません。だからこそ、一人で考え込むのではなく、周りの方々とコミュニケーションを重ねてみてください。皆さんが抱えている悩みや不安を解消するためのヒントが、きっと見つかります。そして、最終的には自分自身で最適だと思える選択をしてほしいです。

Interview 01

部署内の皆さんの理解とサポートが、
私の不安を払拭してくれました

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